Powder Coating Basics粉体塗装の基本
01粉体塗装とは?
粉体塗装は、粉末状の塗料を対象物に吹き付け、熱で溶かして塗膜を形成する塗装方法です。
この塗装は環境に優しく、溶剤を使用しないため有害物質の排出が少ないのが特徴です。
また、塗膜が厚く、耐久性や耐食性に優れているため、自動車部品や家電製品、建築材料などのコーティングに広く使われています。
塗装工程では、粉体塗料に静電気を帯電させて対象物に付着させ、その後焼き付けて塗膜を完成させます。
粉体塗装の原理
STEP 1

STEP 2

STEP 3

STEP 4

02粉体塗装の特長
粉体塗装は、長期間にわたって美しい仕上がりを維持できる点が大きな特長です。
一方で、塗装する素材が高温に耐えられるかどうか、また複雑な形状の場合は塗装が難しい場合もあります。
そのため、用途や素材に応じた適切な選定が重要です。
お客様のニーズに合った最適な塗装ソリューションを提供いたしますので、ぜひご相談ください。
粉体塗装のメリット
POINT 1環境に優しく、資源の節約にもなります。
有機溶剤を使用しないため、VOC(揮発性有機化合物)の排出がなく、環境に配慮した塗装方法で人体にも優しいと言われています。
また、塗料の利用効率が高く、無駄が少ない塗装方法なので廃棄物が少ないのも利点です。
POINT 2高い生産性と優れた耐久性があります。
一度の塗装で厚い塗膜を形成できるため、工程の短縮が可能です。
また、一般的な液体塗装に比べてムラやタレが発生しにくく、自動化も容易なため、安定した品質を維持できます。
均一で厚い塗膜を形成できるため、耐久性、耐食性、耐薬品性に優れています。
POINT 3耐薬品性と安全性にも優れています。
多くの粉体塗装は、酸、アルカリ、溶剤などの化学薬品に対する耐性も高く、厳しい条件下で使用される製品に適しています。
また、粉末状の塗料を使用するため、引火の危険性が低く、作業環境の安全性が向上します。
粉体塗装のデメリット
POINT 4膜厚の制限が難しく微細な部品には不向きです。
薄い塗膜の均一なコントロールが難しいため、精密機器や微細な部品には適用が制限される場合があります。
POINT 4色の切り替えが難しいため、少量多品種の生産には不向きです。
色を変更するには塗料の交換と設備の洗浄が必要で、時間がかかるため少量多品種の生産には適していません。
POINT 4耐熱性のない素材には適しません。
粉体塗装は加熱して塗料を溶融・硬化させるため、耐熱性のない素材には適用できません。
当社では主に金属製の素材を塗装しています。
03粉体塗装の流れ
STEP 1被塗物




STEP 2脱脂
蒸気洗浄槽にて、脱脂を行います。
STEP 3ショットブラスト


STEP 4プライマー塗布
プライマーを必要とする場合は、プライマーを塗布します。素材や塗装法によって変わります。
STEP 5塗装
静電ガンによる塗装と流動浸漬槽による塗装が主なものです。
STEP 6焼成
バッチ炉又は連続炉による焼成を行います。
STEP 6補修・検査
被塗物を吊り下げた吊痕や軽欠陥、キズ等を補修し、膜厚・ピンホールの有無を検査します。
STEP 6QC工程表・検査
粉体塗装の歴史
粉末状プラスチックを被塗物表面で溶融し成膜させる粉末塗装法は古くから考えられていましたが、 1952年流動浸漬法が発明されたことを契機に実用化が本格化し、1962年、フランスのサメス社が 静電塗装用のスプレーガンを発表してからこれに適した粉体塗料及び塗装機の開発研究が進められ、1965年頃から本格的に工業的使用が始まりました。
今日、塗料及び塗装に対する要求として有機溶剤による大気汚染の防止・塗装の省力化・合理化などが大きくクローズアップされ、これらの要求に対して粉体塗料が非常に注目を集めています。
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